『私の家では何も起こらない』恩田陸さん 角川文庫。
あらすじ:小さな丘に佇む古い洋館。この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪れた。
男は館に残された、かつての住人たちの痕跡を辿り始める。キッチンで殺しあった姉妹、子供をさらって主人に食べさせた料理女、動かない少女の傍らで自殺した美少年ー。
家に刻印された記憶が重なりあい、新たな物語が動き出す。驚愕のラストまで読む者を翻弄する、恐怖と叙情のクロニクル。
あらすじを読んで凄く物騒な物語だな。でも、私の家では何も起こらないんだから大丈夫でしょ?ハロウィンも近いし、少しゾクッとするお話が読みたい♪なんて、軽い気持ちで手にした本でしたが、私にはかなり怖かったです。
あらすじにあるように、読み終えたばかりの私の頭の中はえっ?どういうこと?と完全に翻弄中で、まだ本当の恐怖を味わっていないと思われるのに、消したTVに映るソファーに座る自分の姿すら不気味に感じたり、上階から時おりするえたいの知れない音にもビビる状態です。
頭を整理する為に読み返すかこのまま真の恐怖を知らずにおくか本気で悩んでいます(笑)
この物語は本当にあったグリム童話が好きな方ならきっと楽しめるのではないかと思います。残酷だけれど読み進めてしまう不思議さがあります。
このお話はフィクションですが、最近も耳を塞ぎ目を覆いたくなるような人間がしでかしたとは思えない猟奇的な事件が変わらず現実世界で起きています。
グリム童話みたいなことが今もまだ続くことをとても悲しく思います。
昔はこんな事があったけれど今は平和だと言える時代が来ますように。
(ブログを書いていたら気持ちが落ち着いてきたのでこれからもう一度読み返したいと思います。)