ゆるゆるな毎日♪

日々あったことを綴ります。

最近読んだ本たち。2ー19.

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『円卓』 西加奈子さん 文春文庫。 

昔よく観ていた「ちびまる子ちゃん」を思い出しました。ですが、内容はもっと現実的です。

 

主人公は8歳の女の子で名前は琴子ちゃん。友人からはこっこと呼ばれています。

こっこは口が悪く、偏屈で硬派な孤独に憧れるちょっと個性的な子。

公団住宅に両親、祖父母、三つ子の姉と住んでおり、そんなこっこを皆揃って溺愛しています。

(そのエピソードはどれも微笑ましく、気持ちをほっこりとさせます。祖父とこっこはお互いに認め合うぐらいそっくりですが(人に対して上から目線 笑)他の家族は皆穏やかでその人柄にも癒されます。)

他にも個性的で人間味のある人々が登場し楽しませてくれます。

 

小学生の時。私もあんな風に周りが見えていたのかな?と思いますが、きっと同じだったのだと思います。帰省した際に昔話になり、今は恥ずかしくてできない様なエピソードを聞かされるのですから…。

振り返ると何の為に?何がしたいの?と思う様な事を沢山していたのを思い出しました(笑)

どの季節にも心踊る様な楽しみがあって、本当に毎日が楽しかったなぁ。(あの頃の好奇心と行動力はどこへ行ってしまったのだろう。)そう思える過去が私にもあることを幸せに思います。

 

こっこにはぽっさんという親友がいます。

そのぽっさんが夏休みで祖母の家へ出掛けた為、一人で遊ぶこっこにある出来事が起こります。その日の出来事はこっこの心を間違いなく傷つけ変化させました。

こういうことを軽はずみにできる人を(人とも呼びたくない!!)本当に許せません。

傷ついたこっこの心を救ったのはぽっさんでした。二人のやり取りに目頭が熱くなります。

 

この物語には幼い頃に体験した良いことも悪いことも全てがぎゅっと詰まっていて、読み終えたあと、タイムカプセルを掘り起こしたような気持ちになります。

私の子供時代とは違うなぁ。と思うこともありますが、だいたいは変わりがなくて少し嬉かったです。

今まで過ごしてきた時間はどれも特別だけれど、足先だけ大人の世界へ踏み入れたあの瞬間はどの時間よりも特別眩しく見えます。

今、その瞬間を生きる子供たちにも大人になった時にあの頃は特別だったなぁと思えるような時を過ごして欲しいと思います。