ゆるゆるな毎日♪

日々あったことを綴ります。

最近読んだ本たち 。2ー33.

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『7月に流れる花』恩田陸さん 講談社

序詞「なつかしいという気持ちは恐ろしいと思う気持ちに似ている 静かな夕暮れにあなたが一人家路を急ぐとき あなたは何か大事なことを忘れていような気がする 足を止めて振り向いたあなたは 遠い雲とそこから射し込む光におびえる 大事なことはいつも思い出せない あなたは黄昏の中でただ一人立ち尽くすだけ」

 

『あらすじ」

6月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。終業式の日。彼女は大きな鏡の中に、全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影をみつける。逃げ出したミチルの手元には、呼ばれた子供は必ず行かなければならない、夏の城ー夏流城での林間学校への招待状が残されていた。五人の少女との古城での共同生活。少女たちはなぜ城に招かれたのか?長く奇妙な夏が始まった。

 

あらすじと序詞を読んでくださったあなたはこの物語をどんなお話だと想像されますか?

 

夏は皆に平等にやってきて、その時間がどんなに素晴らしくても嫌な時間でも同様に手元には置いておけなくて、掴んだ砂が手元からさらさらこぼれ落ちていくように等しく過ぎていく。嫌な記憶も良い記憶も全て流れて私という人間ができ今がある。

かなしと序章がこんな風に繋がり、一体ミチルはどんな夏を過ごしたのだろう。どんな大人になるのだろうとワクワクした気持ちで読み進めました。

 

私が想像した物語は、みどりおとこは鏡の世界の住人で普段は浮かない日々を過ごす少女たちを非現実的な自分の世界に招待し現実とは真逆のキラキラとした、あぁ青春してるなー。という感じの夏を提供し、素敵な思い出と共に少女を現実世界に戻します。ですが、彼女たちは時を重ねるごとに忙しくなりだんだんとその日の事を思い出さなくなります。ですが、それぞれが行き詰まった時にその記憶が思い出され彼女たちはそれぞれの思いを胸にまたいつもの生活をちょっと前向きに生きるみたいな内容のお話なのだろうと思っていました。

 

私の想像したお話を頭に置いて是非この物語を読んでみてください。

頭の中が混乱し、えっ!?どういうこと?えっ?えっ?となり、物語りについていけなくなること間違いなしです(笑)

状況を正確に理解するのに時間がかかると思います。そして、その後に待ち受けるのは想像もしなかった結末です。

お気楽な自分に(私に)あきれ果てると同時に序詞が胸にしみることでしょう。

物語としてはオススメしたい内容ではありません。ですが、この裏切られた感を是非味わって頂きたいと思います。

タイトルは7月ですが、今読んでも大丈夫です♪