ゆるゆるな毎日♪

日々あったことを綴ります。

最近読んだ本たち。 2ー16.

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『こころの医者のフィールド・ノート』中沢正夫さん ちくま文庫

この本には精神科医の著者が出会った患者とその家族との関わりが書かれています。

人を書いたのであって病気を書いたのではない。病に倒れた人とそれを見守る人の悲しみとぬくもりを書きたかったと中沢さんはおっしゃっています。

1996年に発刊されたので、舞台は20年前になります。

 

心の病に携わる仕事に就きたいと思いながらも私はこの分野について何も知らないのだと気付きました。

この分野に必要なのは忍耐力。

何より患者さんの話を聞くことが大事なのだそうです。医者が答えを伝えることは簡単だけれど、自分の内にある物を全て吐き出す事で頭を整理し己の力で解決策を考えないとのちのちダメになる事が多いらしいのです。

(ただ本を読むだけでは確かに身になることはなく、本を参考に自分の頭でしっかり考えてこそ初めてその内容が役にたったと思います。)

せっかちな私はこれを治さない限り、この分野に携わるのは辞めた方がよさそうだと感じました。夫の話をただうん。うん。と聞いたことなど一度もなく、ついアドバイスしてしまいます…。

それ以前に前回の本の感想にも書きましたが、私には叔父をみてこれは病気がさせているのだと思えませんでした。

元々好きではないから出た態度というのにも問題を感じます。

心を扱う以上、誰にでも真心を持って接する事が必要だと思うのです。

今の私にはそんな器はありません。。。

罪を憎んで人を憎まず。これが習得できたら心を扱うことを仕事にすることを目指してみたいと思います。

仕事、特に人と深く関わる仕事は適性のある人がつくべきだと思うのです。介護士さんや看護師さんが故意に事件を起こすなんてことはあってはならないことだと思うのです。面接や資格試験にもっとその人の本質を知る項目を儲けるべきとすら思います。

幼いうちに性格や、適性を調べてそちらに興味が向くように促したり、(スポーツのスペシャリスト養成みたいに)してはダメなのかなー。

自分の良さや向き不向きが分かればニートなども減るのではないかと思います。

私はこういう視点でこの本を読みましたが、

子供が精神疾患を患った親御さんが、一度は治療することを諦めていたけれど、精神科医保健師、同じ立場の家族で結成した家族会の人たちの力を借りて再び子供を信じる事に決めた姿に感動したり、その甲斐があって見事に回復した患者さんの姿に喜んだり、余りにも長い期間放置され続けて、いざ治った時に本人はどう思うのだろうと考える医療スタッフに考えさせられたり、医学生が体験入院したことで彼の身に起こった変化に恐怖を感じたりと沢山の感情をこの本から頂きました。

 

この本を読んで当事者がどういう状況にあるのかが分かりましたが、どう関わりを持っていったら良いかは分かりませんでした。

祖母の認知症からくる不安は受け止める事ができそうですが、友人知人、それ以外の人との関わりではそう簡単にいかないだろうと思うのです。

中には病気によって誰かに執着したり、自分を傷つける症状がでる場合があります。

相手が家族ならできる事も多いですが、それ以外の人となると何ができるのでしょうか。

(今まで少しだけそういう方と関わりましたがその時は関係が浅い段階で困ると伝えたり、深まる前にフェードアウトしました。)

37歳の主婦の事例で、いつもグループの中心にいたのが、職場でのPC導入などの環境の変化について行けず、職場では自分ではなく若い子中心になったことから歯車が狂いだし鬱が発症と言うのを見て、鬱病は本当に誰がなってもおかしくないのだと思いました。

色々と考えてみたいと思います。