『ナイルパーチの女子会』柚木麻子さん 文春文庫。
まだ一頁も読まないうちにこの本を好きだと感じました。文章がとても綺麗で透明感があります。そして、本来なら登場人物にしか分からないであろう細かな感覚をひしひしと感じる事ができるのもいいなぁと思いました。
(この感覚は江國さんの作品にも感じます。)
頭ではなくて心で好き。と感じる感覚。私の中に言葉がすっと溶け込んでいくのが分かりました。
柚木さんは、江國さん。宮木さん。に続いて大好きな作家さんになりました♪
この本は確実に今読むべき本でした。
夢中になり過ぎて、5時間かけて全部読みきってしまいました。
友情。夫婦関係。兄弟や親との付き合い方など様々な人間関係のトラブルとの対峙の仕方をブログの著者(家事嫌いの専業主婦 翔子)と読者(独身のキャリアウーマン 栄利子)の拗れに拗れた関係から教えて貰いました。
内容はかなりディープです。目を覆いたくなる事がこれでもか！と起きるので、正直、読み進めるのに勇気がいります。ですが、読み終わった時には人として一皮剥けていると思います。人として大切な事を教えてくれる素敵な作品でした。
自分の過去。現在。未来。を見つめ直したくなりました。
どんな困難も歩む事を止めなければ必ず何か変わる。やる事がメチャクチャで不器用な二人に勇気と希望を貰いました。
私は友達という関係を誤解していたことに気づきました。これからはもっと肩の力を抜いてゆるーくいこうと思います。
そして、淋しさを人で埋めようとしない。現状の不満を人のせいにしない。引き続きこれを肝に命じていこうと思いました。
本は私にとって最高の『友達』だと改めて感じました。
