ゆるゆるな毎日♪

日々あったことを綴ります。

最近読んだ本たち。 32.

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『春狂い』宮木あや子さん 幻冬舎文庫

ここ数日。人の闇を感じさせる本を選んで読んできたのは気分だったのも有りますが、この本を読む為のウォーミングアップアップだったとも言えます。宮木さんの書かれるこのジャンルの本を読むにはそれぐらいの準備が必要です。

しっかり準備したつもりでしたが、それを遥かに越えて来ました。一つ目のお話から凄い破壊力でした…。想像を絶する変態の姿がそこにありました。

その変態は教師でした。その欲望の矛先は一人の美しい少女でした。彼は全てを投げだしただただ彼女を求めます。彼女を前にすると男たちは狂いだします。実の父親さえも…。

最初から最後までずっと痛々しい話が続きます。

とある事件をきっかけに吹っ切れた彼女は、己の身を自ら男に差し出すことで残りの学校生活を乗り切ろうと行動を起こします。

 このお話はフィクションですが、ニュースではこれとほぼ変わらないことが起こっていると報じます。どうして、自分の欲をコントロールできないのでしょうか。矛先を他人に向け傷つけるのでしょうか。傷つけられた子の親は何をしているのでしょうか。私には余りにも分からない事が多すぎます。

こういう被害に合う子の逃げ場はどこにあるのでしょうか?未成年の子たちがここにいれば大丈夫という場所が私には思い浮かびません。もし、こういう目にあっている子と出会ったらどんな助けができるのでしょうか。

もっと知識をつけたい。そう思いました。

 

読むのにかなりエネルギーを使う作品です。

何度も目を反らしたくなりました。

ですが、彼女を受け止めてあげたい。その辛さを彼女が話すなら聞いてあげたいという気持ちで最後まで読み続けました。

子供は守られるべき存在でその幸せを大人の身勝手で奪ってはならないと強く思いました。