ゆるゆるな毎日♪

日々あったことを綴ります。

最近読んだ本たち。 28.

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『ミドリのミ』吉川トリコさん 講談社文庫。

小学校3年生の女の子。ミドリ。を中心にお話が進んでいきます。
父の広には源三と言う恋人がいます。源三は名前の通り男性で、母の貴美子とは、離婚の話が出ているのですがなかなか話は進みません‥。

この環境。見るからに複雑でミドリの生活にも影を落とします。
女の子の視点からお話が始まるので、言ってもほんわかした内容なのだろうと思ったら‥昼ドラ並みに赤裸々でなかなかディープな世界が描かれていました。
ゆるいタイトルにお子さまが手に取ったら?とヤキモキしてしまうレベルです。

視点は父。源三。母。その周りにいる人々へと変わっていき、色んな立場からこのごたごたを目にする事ができます。

親の年齢は私と同じ35才。
今の私はこんなにも自分勝手なのだろうか。
子供がいたら、自分より子供の幸せを願うのが親になることだと思っていました。私自身は、大人の犠牲とも言える愛の元に育ったと感じています。いつでも生活は私と弟中心であったと記憶しています。
ですが、自分が親になる年齢に達した今、身近にこの両親と重なる人を何人も目にします。
私が思い描く親とは幻想なのでしょうか。
子供を持たない私には分かりません。
広。貴美子。源三。に対して責める気持ちになるのは間違った感情なのでしょうか‥。
自由を奪われることを苦く思うのは良いと思います。私は私思う分には大いに結構。ですが、ここまで自分に正直に生きても良い物なのでしょうか。
私がミドリなら‥ここに登場する大人たちを許せないと思います。
そう思う私も、広たちと同じくらい我儘で利己的なのだと思います。

子供の残酷な世界。小さい町の閉鎖的な考え方。少数派でいることの大変さ。
生きるって大変だと実感させられるお話でした。

それにしても広は酷い。
こういうタイプ苦手です。